2013年7月10日水曜日

「豊丘村空き家等の適正管理に関する条例」をH25,6月定例議会で提案します



 私は「豊丘村空き家等の適正管理に関する条例」を今回6月定例議会において議員提出議案として条例提案する準備をし、事前に条例案文を議員各位に配布し、4/16の社会文教委員会で委員と村環境担当に説明をしました。

 その後、議会全員協議会の場でも、今回6月定例議会において議員条例提案することを報告し、賛同者を募ろうとしましたが、空き家等の適正管理に関する条例の制定はすべきであるが、内容を良く吟味した方が良いとの意見がありました。

 私もある程度の時間をかけて審議し全議員の理解をいただくべき条例であると判断し、今回6月定例議会において議員提出議案として条例提案することを見送り、今後の推移を見守ることとしました。

豊丘村空き家等の適正管理に関する条例」の
提案理由を申し述べます。

 本年3月の第1回定例議会において「豊丘村環境保全条例の制定について」及び「豊丘村廃棄物の処分及び清掃に関する条例」が可決されました。

 この審議において、老朽化等、空き家問題及び荒廃農地等についても、条項を備えるべきだとの発言を私もしました。その折に理事者から「豊丘村環境保全条例」等で制定するには条例が複雑になるので、何らかの制定をするのであれば別にした方が良い、と制定するとの明確な答弁はありませんでした。

 総務省の平成15年と平成20年の5年間の住宅・土地統計調査を見てみますと、659万戸だった全国の空き家は、5年間で97万戸ふえています。空き家率も12.2%から13.1%に上昇しています。*

 国土交通省の「空き地・空き家等外部不経済対策について」の公表を見ますと、以下のような分析があります。

 この外部不経済とは、ある経済主体の行動が、その費用の支払いや補償を行うことなく、他の経済主体に対して不利益や損失を及ぼすこと例えば、公害。とあります。

1.現状分析では

●少子高齢化・人口減少等に伴い、空き地・空き家といった適正な管理がされない不動産が増加するなど、周辺に外部不経済をもたらす土地利用が発生・増加。」している。

○外部不経済をもたらす土地利用の例として、高齢化等により所有者が利用・管理しない(できない)ことに伴い生じる事象として、空き地、空き家、廃屋・廃墟等を挙げています。

・農林業の状況変化(担い手不足、採算性の問題等)に伴い生じる事象として、耕作放棄地、手入れの行われていない山林等を挙げています。

・管理者(土地を利用する事業者等)が適正な管理を行わないこと等に伴い生じる事象として、資材置き場、残土置き場、廃棄物置き場(許可施設以外)、ゴミ屋敷としています。

●全国の市区町村を対象とするアンケート調査(平成20年度土地・水資源局で実施)によると、全国の約7割の市区町村で外部不経済をもたらす土地利用が発生し、空き地・空き家の管理等を問題としている市町村も数多くみられ、全国的な問題として顕在化している。外部不経済をもたらす土地利用の発生している市区町村は約7割ある。

●全国の市区町村(1,804団体)を対象とするアンケート調査を平成21年1~2月に実施しました。回答のあった市区町村は1,217団体、回収率67%。

「発生している」と回答877団体(72%)「発生していない」と回答340団体(28%)

●外部不経済の発生と対応に苦慮している要因等としては

○管理水準の低下した「空き地」があり、発生要因は・住宅開発時に購入された土地が、所有者の経済的事情、遠隔地居住等により、利用されずに放置されている。・所有者の高齢化や死亡により住居を撤退した後も、利用用途がないままに放置されている。

○自治体が対応に苦慮している要因として、・所有者の経済的事情や遠隔地居住等により、管理や利用を指導しても対処してもらえない。・管理の指導を要する空き地が多く、行政のマンパワー不足等により対応が困難。また、強制的な措置を講ずるためには、時間と費用がかかる。・相続により権利関係が複雑になっていること等により、所有者を特定することが困難。等があります。

○管理水準の低下した「空き家、廃屋・廃墟等」があり、発生要因は・過疎化、高齢化等により利用者がいなくなった後もそのまま放置。等

自治体が対応に苦慮している要因等として、・所有者と利用者とのマッチング組み合わせ適合に苦慮している、所有者は貸すことに躊躇、利用者は賃借や購入への不安等です。

・空き家にあわせて農地を利用・処分したくても農地関係制度等との関係で利用・処分が困難。

・空き家のある住宅地の周辺に新規の住宅開発があり、空き家の利用者がいない。

・相続により権利関係が複雑になっていること等により、所有者を特定することが困難。

・建築や紛争等の関係法令等の専門的な知識を有する職員が不足。等

○資材置き場、残土置き場、廃棄物置き場発生要因として

・建築物の建築を伴わないこと等により、関係法令による管理が難しい。

・周辺住民も知らない間に設置され、管理者が適切な管理を行わない。等

自治体が対応に苦慮している要因等として

・関係法令による管理が難しいこと等から、管理者への指導に苦慮。

・周辺住民と紛争が生じても、専門的な知識を有する職員が不足し、対応に苦慮。

・撤去を行うとしても手間と費用が膨大であることや、公費投入への理解が得られないこと等から実施が難しい。等

○耕作放棄地、手入れの行われていない山林発生要因として

・農業や林業の担い手不足等により、農地や森林の管理が困難。等

自治体が対応に苦慮している要因等として、耕作放棄地は、そもそも営農条件が悪く、利用が難しい。・林業の採算性が悪いこと。

・農業・林業経営の課題。等

○ゴミ屋敷の発生要因として・所有者がゴミと認識していない等の問題がある。

・解消に直接的につながる法令がない。等

自治体が対応に苦慮している要因等として

・所有者がゴミと認識していない等、所有者の意思の問題があり、行政が踏み込みにくい。

・保健、福祉、環境等関係部局間の連携が必要となる。等

2.現状の取組

(1)空き地・空き家の管理・活用等の取組

○外部不経済をもたらす土地利用の問題に対処するため、自治体や地域住民、NPO等による取組がみられる。

○空き地・空き家の管理・活用等の取組としては、

①周辺への外部不経済の予防・除去のため、自治体が所有者等に空き地等の維持管理(雑草除去等)を働きかけ・指導

②空き地・空き家を積極的に活用し、

・地域交流・活性化、福祉サービス等の場としての活用・空き家に関する情報バンク

・空き家等を活用した住み替え、定住等への支援等の取組がみられる。

○所有者への維持管理の働きかけ、指導として、条例等により空き地・空き家の維持管理の義務付け等を講じている市区町村は、空き地については292市区町村、空き家に関しては137市区町村です。(全国の市区町村を対象とするアンケート調査結果による)

○条例では、・所有者や管理者への管理義務・適切に管理されない場合の指導、助言、勧告等を定めるほか、命令、氏名公表、代執行等の強い措置を定めるものもある。

○その他の取組として、・除草機の貸与、業者のあっせん・所有者等による標識設置等

以上が国土交通省発表の「空き地・空き家等外部不経済対策について」であります。

 農林水産省の耕作放棄地対策の推進事業等として、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金を平成21年度~実施して、賃借等により耕作放棄地を再生、利用する取組や、これに付帯する施設等の整備、農地利用調整、営農開始後のフォローアップ等の地域の取組を総合的・包括的に支援。としております。
 平成20年では、長野県は19.0%で、全国でも空き家率が高い県となっています。長野県、全国の動向を見てみますと、空き家が急増し、対策としての条例制定が急増しています。

 最近では平成24年中、飯山市、長和町、小谷村、筑北村が空き家対策条例を制定してありますし、松本市でも動き出しています。豊丘村にとっては新しい条例ですが、全国では130以上の自治体がすでに制定し、稀有な条例ではありません。

 提案いたしました「豊丘村空き家等の適正管理に関する条例」案は、外部不経済事象の定義、管理義務者の責務及び村長の行政行為を主に規定します。

 一方、該当事案周辺居住者の日本国憲法第三章 国民の権利及び義務により保障された諸権利の保護にもなります。

 これらを勘案しますと「豊丘村空き家等の適正管理に関する条例」を一日も早く制定することが必要となります。以上、提案理由でござます。

豊丘村空き家等の適正管理に関する条例 (案)

(目的)
第1条 この条例は、空き家等の適正な管理に関し必要な事項を定めることにより、空き家等が管理不全な状態になることを未然に防止し、もって地域の安全・安心の確保及び生活環境を保全することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 空き家等とは村内に所在する建物その他の工作物及び樹木又は雑草で、常時無人の状態にあるものをいう。

(2) 管理義務者とは所有者、占有者、相続人、相続放棄者(相続放棄によって相続人となった者が、相続財産の管理を始めるまでの間に限る。)、財産管理人(相続財産管理人を含む。)その他当該空き家等を管理すべき者をいう。

(3) 危険な状態 次に掲げる状態をいう。

ア 老朽化又は積雪、台風、地震等の自然災害により倒壊するおそれがある状態、又は建築材等の飛散やはく落により、当該建築物の敷地外において人命若しくは身体又は財産に被害を与えるおそれがある状態

イ 不特定の者に建物その他の工作物若しくはその敷地に侵入され、犯罪、火災等を誘発するおそれのある状態

ウ 建築物の敷地内にある樹木又は雑草が繁茂し、動物、昆虫等が過度に繁殖し、放置され、人の生命若しくは身体、財産又は当該敷地の周囲の生活環境の保全に支障を及ぼす状態

(民事による解決との関係)
第3条 この条例の規定は、管理不全かつ危険な状態にある空き家等の管理義務者等が、管理不全かつ危険な状態にある空き家等であることにより被害を受けるおそれがある者との間で、民事による解決を図ることを妨げない。

(管理義務者の責務)
第4条 空き家等の管理義務者等は、当該空き家等が管理不全及び危険な状態にならないように自らの責任において適正な管理をしなければならない。

(情報提供)
第5条 何人も、空き家等が危険な状態であると認めるときは、村長に対し、当該危険な状態に関する情報を提供することができる。

(立入実態調査)
第6条 村長は、前条の規定による情報提供があったとき又は第2条に規定する管理が行われていないと認めるときは、当該空き家等の立入実態調査を行うことができる。

2 前項の規定による立入実態調査を行う職員は、その身分を証明する証票を携帯し、管理義務者等の請求があるときは、これを提示しなければならない。

3 村長は、前条に規定する立入実態調査により、空き家等が管理不全な状態であると認めるときは、当該空き家等の所有者等に対し、必要な措置について助言又は指導を行うことができる。

4 第1項の規定による立入実態調査は、これを犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(勧告)
第7条 村長は、前条の規定による助言又は指導を行ったにもかかわらず、当該空き家等の管理義務者等が正当な理由がなく当該指導に従わないとき又は前条に規定する立入実態調査により、空き家等が著しく管理不全な状態であると認めるときは、当該空き家等の管理義務者等に対し、期限を定め空き家等の適正な管理のために必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(緊急安全措置)
第8条 村長は、空き家等が管理不全な状態であることにより、人の生命若しくは身体又は財産に危険な状態が切迫している場合と認められるときは、危険な状態を回避するために必要な最低限度の措置(以下「緊急安全措置」という。)をとることができる。

2 村長は、緊急安全措置を実施したときは、空き家等の管理義務者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。ただし、当該管理義務者が既にこれを知っているときは、この限りでない。

(1) 緊急安全措置の実施概要
(2) 緊急安全措置の概算費用
(3) 管理義務者の費用負担
(4) その他村長が必要と認める事項

3 第1項の場合において、村長は、緊急安全措置に要した費用を空き家等の管理義務者に請求することができる。

(危険空き家等の認定)
第9条 村長は、第6条の立入実態調査により、当該空き家等が管理不全な状態にあると認めたとき又は管理不全な状態になるおそれがあると認めたときは、危険空き家等として認定する。

2 前項の規定による危険空き家等の認定に係る基準は、村長が別に定める。

(助言又は指導)
第10条 村長は、前条の規定により危険空き家等の認定をしたときは、当該空き家等の管理義務者に対し、空き家等の適正な管理のために必要な措置について助言し、又は指導することができる。

(命令)
第11条  村長は、第7条条の規定による勧告に応じないときは、当該空き家等の管理義務者等に対し、期限を定め空き家等の適正な管理のために必要な措置を講じるよう命令することができる。

(安全代行措置)
第12条  村長は、空き家等が管理不全な状態にある場合で、管理義務者等が自ら管理不全な状態を解消することができないとの申し出があったときには、管理不全な状態を回避するために必要な最低限度の措置(以下「安全代行措置」という。)をとることができる。

2 村長は、前項に規定する安全代行措置を実施する場合は、管理義務者等の同意を得て実施するものとする。

3  前項の規定により管理義務者等に同意を得る事項は、実施概要、概算費用、費用負担及びその他必要な事項とする。

(代執行)
第13条  村長は、第11条の規定による命令を受けた者が、当該命令に従わない場合において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより、自ら必要な措置を行い、又は第3者にこれを行わせ、その費用を当該空き家等の管理義務者等から徴収することができる。

(警察その他の関係機関との連携)
第14条  村長は、緊急の必要があると認めるときは、村の区域を管轄する警察その他関係機関に必要な措置を要請することができる。

(助成)
第15条  村長は、第7条の勧告又は第10条の助言若しくは指導に従って措置を講ずる者に対し、助成することができる。

(公表)
第16条  村長は、前条の規定による命令を受けた空き家等の管理義務者が、正当な理由なく当該命令に従わないときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 命令に従わなかった者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 命令に係る空き家等の所在地
(3) 命令の内容
(4) その他村長が必要と認める事項

2 村長は、前項の規定により公表するときは、当該公表に係る者に意見を述べる機会を与えなければならない。

(支援)
第17条  村長は、空き家等の管理義務者に対し、空き家等を適正に管理するための必要な支援をすることができる。

(委任)
第18条  この条例に定めるもののほか、必要な事項は、村長が別に定める。


0 件のコメント:

コメントを投稿